原子力発電、火力発電、水力発電の建設コストとメリット、デメリット(2012/3/7)
【原子力発電所】
1.建設費:約4,500億円
《仕様》
発電機出力 110~140万kw程度
原子炉の型式 軽水炉(BWR・PWR)
・土木工事費
・建築工事費
・各種機器購入費(原子炉・タービン発電機・変圧器など)
・各種機器輸送/据付費など
・試運転調整費
以下のものは除く
・土地の取得費
・送電線接続費
・電源開発交付金
・漁業補償費
・その他交付金
2.メリット
 現状を見たらデメリットの方が多いのは明らかですが、福島第一原発被災/事故以前までの論調から。
・原子エネルギー安全利用と核不拡散への国際的寄与
・化石燃料の枯渇の抑制
・発電原価が安い(試算方法による誤魔化しがある)
・発電に伴う地球温暖化ガス排出量抑制(二酸化炭素)
・使用済み核燃料防災処理で国産エネルギー自給率のUP
(プルサーマル計画)
3.デメリット
・低レベル/高レベル廃棄物の処理
・定期点検などの作業に伴う作業員への被爆
・温排水の大量排出
・熱効率が30%未満
・廃炉技術が確立していない
・放射性物質漏洩に伴う放射能汚染被害の対策が確立されていない
・福島第一原子力発電所の被災/事故をみてみれば明確
【火力発電所】
1.建設費:約2,800億円
《仕様》
発電機出力 100万kw
発電方式 汽力発電方式
使用燃料 石炭
・土木工事費
・建築工事費
・各種機器購入費(ボイラー・タービン発電機・変圧器など)
・各種機器輸送/据付費など
・試運転調整費
以下のものは除く
・土地の取得費
・送電線接続費
・電源開発交付金
・漁業補償費
・その他交付金
火力発電所の場合燃料が違うと、付帯設備も違ってきますので変わってきます。
汽力発電方式で天然ガス火力だと2,000億円程度、ガスコンバインドサイクルで規模にもよりますが、合計出力150万kW程度だと3,000億円程度になります。
※付帯設備とは
・排ガス処理装置
・排水処理装置
・燃料受入/貯留/供給装置 などの事を指します。
2.メリット
・燃料が扱いやすい
・発電設備大型化によるコストダウン
・発電機出力の増加減ができる
3.デメリット
・化石燃料の枯渇
・排ガス処理が必要(中国などでは対策をしていないので大気汚染)
・二酸化炭素の排出
・温排水がでる
【水力発電所】
国内で建設可能な大型水力発電所は、すでに95%を開発してしまっているので、大型水力発電所はほとんど建設の可能性がありません。
ただし、揚水式水力発電所は計画がありますが、国内経済の鈍化に伴う電力消費量の減少と、原子力発電所の新規開発が遅れていて、夜間の余剰電力が予想より少なくなってきているので、計画が先延ばしになっています。
水力発電所の場合は非常に難しいですね。
30万kW前後の縦軸フランシス水車-発電機で、付帯設備をつけて約800億円ぐらいでしょうか。
水力発電所は地上に設置する場合と、地下に大きな空洞を作って設置する場合があります。
戦後、ほとんどの大型水力発電所は地下に作られています。
この地下の土木工事だけで数千億です。
これは発電機の設置台数により変わりますので一概には言えません。
次にダムの建設費です。
大きなアーチ式ダムや重力式ダムになると、4,000~5,000億は必要ですね。
また、ダム自体は多目的の場合があるので、水利権の問題などもあります。
また、ダム建設に伴う住民の移住などの補償費用など、大変に大きなお金が動きます。
2.メリット
・起動停止が遠隔でできる
・設備維持費が他の発電方式に比べて安価
・発電量調整の応答性が速い
・発電時に二酸化炭素を出さない
3.デメリット
・治水事業との兼ね合い
・河川流量の低下で生態系の破壊
(現在は最低流量を維持している)
・ダムに建設による自然破壊
【参照】各電源の諸元一覧
(経済産業省・資源エネルギー庁)