Web お伽噺 地球救済物語
・・・緑が人類を救う・・・
世界中が温暖化対策を唱えています。
そんなに温暖化はいけないことですか?
■夢の楽園だった地球

 私は寒冷化とか、熱帯化という言葉は嫌いですが、温暖化という言葉は大好きです。氷点下10度が10日間も続いた事がありました。真夏日が一週間続いたこともありました。そんな時は、夏の暑さと冬の寒さを足して2で割って、いつも春や秋のような気候なら良いなと思ったものです。極楽浄土はきっとそんな処なんでしょうネ!
 しかし、昔の地球のある頃に、そんな穏やかな天国のような星だった頃があったんです。だから、地球を昔の環境に戻せば、気候は年中温暖で植物が良く育ち、豊富に食料が生産できて、地上から飢餓が一掃できます。人も生き物も穏やかに生存できる様になります。生きて行くのに苦労しないので争いが少なくなり、戦争が起こらなくなります。
 さて、それでは地球の歴史をいつまで戻せば良いのでしょうか!
それは、今から2億年ほど前、恐竜が地上を闊歩していた時代までです。巨体の恐竜が地球上で生存できたのは、地球に食物が大量に生い茂り、水も豊富に湧きだし、気候が温暖で長生きすることが可能な環境だったからです。
■恐竜の絶滅
 6,500万年前のある日。地上の楽園の地球で穏やかに繁栄を謳歌していた恐竜の頭上に多数の隕石が降り注ぎました。それは、火星と木星との間にあった惑星の爆発による隕石でした。その中の大きな隕石の一つが地球に命中してしまい、その衝撃で地軸は23.4度傾いてしまいました。

 実は、隕石は地球に衝突するまでは一つの固まりだったのですが、地球の大気圏への突入の衝撃で二つに分裂してしまい、その1つ目の大きな隕石の落下地点は、今の太平洋の真ん中でした。直撃を受けた陸地は海に没しました。周辺の大陸は四方に移動を始め、移動の広がりの境界である太平洋の沿岸部は、海洋プレートの沈み込みによって火山列島や火山群が形成されました。環太平洋火山帯と称される千島列島、樺太、日本列島、台湾、フィリッピン諸島、インドネシア、ニュージーランド、チリ、アンデス山脈、ロッキー山脈、カルフォルニア、アラスカ、アリューシャン列島など、太平洋を囲む大きな輪を形成して、今もなお、火山の噴火と地震の震源地帯となっております。
 もう一つの小さめの隕石は地球の引力に弾かれて別角度から地軸の傾いた地球に突入しました。その衝撃でインド大陸とオーストラリア大陸が別方向に移動をお越し、やがて、インド大陸はユーラシア大陸に衝突してヒマラヤが形成され、オーストラリア大陸は太平洋に着き出したのです。
2013年
 そして、隕石の衝突によって300mを越える大津波が発生し、恐竜のいる陸地を襲い、たくさんの恐竜たちは波に流され、隕石の衝突で生じていた地表の割れ目の奥底に落ちて行きました。また、豊かな自然に育まれて森となり山となって林立していた100mを越える巨木の木々も津波に流され瓦礫となって恐竜と同じように地中の奥深く埋もれて行ったのです。やがて、それらは、現代に暮らす人類が地中から掘り出して石油、石炭などの化石燃料として利用し現代文明を築く礎となったのです。
 恐竜の時代には、地球に人類は存在しておりませんでした。衝突後間もなく、宇宙船のノアの方舟が人類を載せて地上に降りて来ました。何隻も何隻も到来して主に衝突の影響の少なかったアフリカ大陸に着陸しました。爆発して破壊された小惑星から避難して来た人類が地球にやっと到着したのです。高度な文明を持っておりましたが、その文明の科学も技術も逃避地の地球では維持することが出来ず消滅して行き、地球の自然の中で原始生活をして暮らすしか生存の道はありませんでした。
 隕石の落下によって地球の気候は激変しました。膨大な数の恐竜や巨木の木材が地中に埋まったために炭素が地上から奪われ気温が低下して長い氷河期が訪れました。赤道直下のアフリカに降り立った人類は氷河期の寒波を凌ぐことが出来て絶滅から免れることが出来ました。
■小惑星を破壊した人類

 実は小惑星の母星が爆発して破壊されてしまったのは、人類の祖先が原因だったのです。人類は王国派と人民派の2派に分かれて闘争を繰り広げておりました。母星には月があり、母星と月の間の宇宙空間を行き来出来るほどに文明科学は進歩していました。しかし、月の資源を争い戦争が起こり、互いの月の基地を攻撃する戦いはエスカレートして行き、ついには月を破壊する程の攻撃が加えられ、崩壊が始まり半分に割れた月が母星に落下してきました。その衝撃で母星も崩壊が起こり始め、人類は絶望に打ち拉がれ、ある者は嘆き、恨み、諦め、そして祈りながら最期を迎えました。
 ただし、僅かな可能性を掛けて、生命の種を残すために選ばれた一部の人々のみが宇宙船「ノアの方舟」で地球への脱出を企て、母星を旅立ちました。その一部の船は運良く地球に降り立つことが出来ました。やがて母星は粉々になり、大きな欠片が隕石となって地球を襲ったのです。殆どの欠片は小惑星となって太陽の周りを回っています。その中の一部は彗星としてそれぞれの軌道の旅をしながら太陽を廻っています。

 地球に移住した人類は原始生活をしながら、やがて科学を発展させて文明を築きあげて行きました。そして遂にはアフリカの中央に壮大な国家を樹立しました。その時にも、王国派と人民派の争いは継続していて、再び、争いに発展して行きました。激しい戦いは核兵器を使用する戦争となり、アフリカ北部は核で焼き払われて、大地は砂漠化が進み、双方とも消滅してしまいました。
その戦いから逃れた人々は隕石の衝突で荒廃していたものの氷河期が収まって来たユーラシアや太平洋の沿岸地域へ分散して行き、現代に辿り着く文明を築いて行きました。
■砂漠の緑化が人類を救う

 現在、問題になっている地球温暖化は、化石燃料を使用することで起きているのではなく、アフリカなどの砂漠の熱波と人類の居住地の都市化による緑地の減少、アマゾンや東南アジアの熱帯雨林の乱伐によって引き起こされる気温上昇が原因です。まずは、アフリカの緑化、或いは水辺化の実現を目指さなければ、根本の解決はあり得ません。もともと北極にも南極にも氷河はなかったのです。その水は全てアフリカ大陸のものであったのです。恐竜がいた時代の環境に戻すためには、海水を脱塩し、アフリカの砂漠に注ぎ込むことが最初に為すべきことです。そのために、アフリカの西海岸の砂漠に多数のパラボラ鏡の太陽熱発電所を建設し、出来た電力で海水を脱塩した真水を灌漑農業に活かしながら砂漠に投入して行くのです。


 砂漠に水が満ちてくれば自然に緑地が広がり、人や動物が住める土地になって農業を営めるようになります。中東など紛争地帯に暮らす人々の平和な生活を希望する人々の入植を推し進めて、争いの種を減らせば和平の道が拓けます。周辺が緑化したなら発電所は砂漠地帯に移して行き、100年掛けてアフリカの砂漠を緑化、水辺化をします。それが実現すれば、猛暑が収まり、強烈な寒波が起こらなくなり、台風、サイクロン、ハリケーンに襲われない気候になります。年中温暖な地球が誕生します。地球の温暖化は飢餓を撲滅し、穏やかな環境が人々の心を癒やし、一人一人が幸せを感じ世界全体が幸福になります。地球に戦争のない平和な世界が訪れます。
さて、あなたは温暖化という言葉が好きになりましたか?
■夢の世界へ
 架空の話も含みますが、現実の状況を考察して導き出した夢物語です。もし、砂漠の緑化を実現しようとするなら事業として取り組むための国家の予算規模を超える原資が必要になります。世界政府、或いは、地球連邦が存在すれば国々に税的負担を課すことが出来ますが、現在の国連では100年の計を推し進めることは無理のように思われます。そこで、事業の推進に対する人類の確固たる意識を生み出すための情報共有の仕組みが必要になります。情報共有は、強権で統制された情報ではなく、人々の小さなコミュニティーの単位から生み出される情報でなければなりません。今、高度情報化社会においては、地域インターネット放送局がその役割を果たすことが出来ます。全世界規模でインターネット放送局のネットワークが構築されれば、国家を越えた機構が誕生します。

 地球緑化推進の負担金の根拠は、酸素を生存する以外の目的で消費する事業へ課する負担を論拠とします。酸素の消費には負担を課し、酸素を生産する事業には資金を交付します。例えば、日本ならば森林のある地域には交付金が下りますので、人口流失に陥っている限界集落の老人ばかりの山村が蘇ることになります。緑の少ない都市部は酸素消費税がより多く徴収されることになります。
 国としても、アマゾンを抱えるブラジルや熱帯雨林のある東南アジアには、世界から酸素消費の権利譲渡の資金が入ります。そして、砂漠地帯で緑化を進める事業を起こせば、その資金を供与できる事になります。不毛の砂漠に事業が起き、雇用が生まれ、農業生産が可能になり、新たな国家建設が興ります。生み出された利益は人々に分配されてベーシック・インカムが実現できることになります。
この物語に 世界の人々が気づいてくれることを 期待しております。
以上、Web お伽噺でした。
2017/07/20    文:佐藤祐輔

<参考サイト>